2013.12/Myojo『裸の時代』10000字ロングインタビュー:有岡大貴③

 

 

f:id:artmkmyt:20131026194226j:plain

 

 

”大ちゃんらしくやればいいよ。なんとかなる。大丈夫!”

—個人的に、メンバーに救われたなって思う瞬間ってある?

「いくらでもあります。たとえば、東京ドームシティホールで『SUMMARY』をやったとき、コーナーの司会を初めて任されたんです。ひとりひとりワンちゃんといっしょに芸を披露するコーナーだったんですけど、リハで全然うまくいかなくて。メンバーをまとめるのも大変なのに、犬もまとめるっていう。犬はまったく言うことを聞いてくれないし(笑)」

—ハハハハハ

「本番数日前になっても、全然うまくできなくて。なのに、テレビ番組の収録で抜けなきゃいけなかったりして、リハにも参加できないみたいな。すげー不安で不安で。ひとりで残ってリハしてたら、知念からメールが来て。”大ちゃんらしくやればいいよ。なんとかなる。大丈夫!”って。なんかその言葉で、すごく安心できて。肩に力が入りすぎて、空回りしてる自分に気づいて。いい意味で、もっと力抜いてふだん通りやろう。大事なのは、みんなに楽しんでもらうことだって」

—そんなことがあったんだ

「うん。今の自分のMCのスタンスって、そのとき生まれたって思ってます」

—逆に、他のメンバーが凹んでたり、イライラしてたりするのってわかるもんなの?

「わかります。やっぱり、つらい時期も、楽しい時期もいっしょに過ごしてきたから、わかんのかな」

—凹みやすいのって?

「うーん、山田かもしれないですね。やっぱり、いちばん仕事に対しても、Hey!Say!JUMPに対しても、熱い想いを持ってる男だから。その分、悩むことも多いんだと思う」

—山田くんが悩んでそうだったら、どんな言葉をかけるの?

「そこはもうナチュラルに。何に悩んでるか、だいたい当たってるんで。特別な言葉はいらなくて。ふたりで、カフェに行ってコーヒーとか、テラスで延々とただ黙って飲んでるだけだったりしますね」

—山田くんとは『金田一少年の事件簿』で共演してるよね

「はい」

主題歌は山田くんがひとりで歌った。自分も出てるのに、複雑じゃなかった?

「あー、たしかにJUMPで主題歌を歌えるもんだと思ってましたね。ひとりで歌うことが決まったとき、山田とすごく話し合って。最初、”JUMPでやらせてくださいってお願いしに行こう”なんて話したんです。でも、山田にとってはチャンスなわけで。だから、山田の背中を押すことに決めたんです。あいつ、相当悩んでたから。”俺らのことは心配せずがんばってこい。大きな風穴を開けてきてくれ”って」

—じゃあ、JUMPにとって分岐点になったことって、何だと思う?

「最近なんですけど、アジアツアーのときかな。ツアーができるかもしれないって言われてたんですけど、リハ中に急に呼ばれて、”やらないことになったから。じゃ、リハに戻って”ってだけ言われたんですけど、誰ひとり、その場を動かなくて」

—そんなことがあったんだ

「メンバー全員、ちゃんとわかるように説明してほしかったんで。自分たちの意思を初めて伝えたんです。たぶんJUMPって、デビューしたときは中学生もいて、そのイメージが残ってるんだろうなって。俺らは、今まで全部”はい”って答えてきた。それで、大人の中では、最低限の部分を伝えればいいってイメージがついてたと思うんですよね。だから、そこで初めて抗議して。もう子どもじゃない。何が起こっているか知りたいし、自分たちの意思を持って進んでいきたいって」

—その変化の理由って?

「危機感だと思います」

—危機感があるんだ?

「あるあるあるある。フレッシュさが売りみたいな部分が多少なりともあったのが、キスマイ、A.B.C-Z、Sexy Zoneがデビューして、心のどっかでヤバイって思ったんだと思う」

—キスマイやA.B.C-Zらがデビューして、焦りもあったんだ

「うかうかしてられないなと思いました。でも、いちばんは、嬉しさです。これから、ホントの勝負が始まるんだなって。俺らがデビューしたとき、”なんにもできないのに”って思ったと思うんです。たしかに、当時はそうだった。でも、今はちがうよって。そのときと今じゃ意識も経験も、全然ちがうから。それぞれグループの良さはもちろんある。だけど、なめんなよって。同じステージで競い合えるってのは、すごく嬉しくて」

—さっき、キスマイやA.B.C-Zと『心置きなく話せるようになったのは最近』って言ってたよね。きっかけってあったの?

「きっかけは…。あ、A.B.C-Zとは『ジャニーズ・ワールド』で3ヶ月間いっしょだったっていうのも、すごく大きいと思います。そこまでぶっちゃけた話はしてないけど、いろいろ話せて。そのあと『ザ少年倶楽部』の司会をJUMPがやってるとき、北山(宏光)くんに、声をかけられたんですよ」

—なんて?

「”俺らだったら、司会もっとうまくできるよ。おまえらがんばれよ”って。本音、入ってたと思うんですけど、表情も口調も、イヤミな感じは一切しなくて。ライバルを激励するみたいな感じで。もう余計なこと一切考える必要ない。純粋におたがい高め合えるライバルっていうか」